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JAFの趣味なページ

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銃器の種類

今回は銃特集です。といっても私自身それほど銃火器に詳しいわけではないので、パラパラっと銃はどんな種類に分けられてまたそれはどんなものなのか解説していこうと思います。

まず銃の基本的な仕組みです。銃の火力の元は、当然のことながら弾丸です。弾丸には薬莢とよばれるものが後ろについていて(薬莢の発明前は火薬をそのまま入れていました)、そこには装薬が入っています。装薬が燃焼し、その燃焼エネルギーを弾丸が受け取って銃口から飛び出すわけですが、この場合一般的に銃身は長ければ長いほど威力・命中率が増すといわれています(長すぎると逆に威力が落ちますが)。
それから銃の用語
・セミオート
1発撃つと自動的に次弾が装填されるけれど、もう一度引き金を引く必要があります。

・フルオート
引き金引きっぱなしで連射することです。強力そうですが、これをすると反動で銃が暴れて狙いが全く定まらない、弾の無駄遣い、連射の熱で銃身が焼きついて駄目になる、などあまり良いことはありません。あくまで広範囲にばらまく制圧用です。

・バースト
フルオート射撃する時に、何発かずつ間をおいて射撃することです。先ほどのフルオートの欠点をかなり解消でき、かつセミオートより火力が大きいです。銃のほうで自動的に行えるものもあるので、指を引き金から離して行う場合「指きりバースト」と言われることもあります。


さて本題です。

・拳銃
言わずと知れた銃です。「ピストル」と言えば幼稚園児だって知っているし、「リボルバー」なんてのも有名です。
他の銃に比べて小型で軽く、持ち運びが容易なことが特徴です。その反面銃が小さいと言うことは距離が離れると弾道がずれやすいということなので、一般に思われているほど遠くの的には当てられません。
また使用する弾丸も長さに対して太くて装薬(弾を飛ばすために爆発させる火薬)も少なく、それも射程が短いことに影響しています。刀とか槍とかより射程が長いのは確かですが、一般的に近距離戦闘用です。戦場でこれを使うのは相当やばい時でしょう。
一般的に人間が手で持って使用する場合、実際に役に立つ交戦距離は5~10m程度で、どんなに長くても25mが限界と言われます。それ以上になると急激に命中率は低下してしまいます。
ところで拳銃関連で45口径とか38口径とか聞くことがあるかもしれませんが、これは銃口の直径をインチで表したもので、正確には小数点がついて.45口径などと書かれます。インチはセンチメートルを2.54倍すれば大体でますから、38口径は約9mmということになります。45口径はさらに強力なもので、受けると自動車に跳ね飛ばされたくらいの衝撃があると言います。
「リボルバー」というのは回転式の弾倉(シリンダー)を持ち、その中に直接弾丸を装填するタイプの拳銃のことです。撃鉄を1回起こす(手で)ごとにシリンダーが回転、引き金を引くと撃鉄が落ちて弾丸を発射します。半自動式拳銃に比べて多種の弾丸が使えて、構造も簡単、不発弾があっても撃鉄を起こせば次弾発射可能と言う利点がありますが、弾切れを起こすとシリンダーを引き出して手動で装填しなければならない、発射の反動が強い、構造上エネルギーの無駄が多くて命中率が低いといった欠点があります。
「半自動式(セミオートマチック)」は発砲時に発生する反動(リコイル)やガスを利用して、空薬莢の排出・次弾装填を自動で行い再発射出来る拳銃のことです。弾切れしてもあらかじめ弾の込められた弾倉(マガジン)を入れ替えるだけなので即応性が高く、それに弾数も多いので火力も高いことが特徴です。ただし、整備が面倒な上不発弾があるとその時点で使えなくなってしまいます。
なおマグナムとは火薬量を増やして威力を強化した弾丸・それを使用する銃のことで、特に拳銃だけのものではありませんが拳銃に使われることが多いです。ルパン三世の使っていた半自動式拳銃ワルサーP38が有名です(写真はベレッタM9)。
ベレッタM9(M72)

・手動式小銃(ライフル)
狙撃に使われるようなライフルです。1発撃つごとに手動で排莢・装填を行わなければなりません。自動小銃に比べて構造が簡単で誤作動も少なく、またエネルギーも有効に利用できます。手動式小銃でも狙撃に特化したものや歩兵用のものなど違いはありますが、ここでは一括します。そもそもライフルと言うのは小銃弾を使用し、銃身に弾丸を回転させる溝(ライフリング)がほられている銃の総称なのですが、これだけではよく分からないので説明を加えていきます。
小銃弾は基本構造は拳銃弾と同じですが、より装薬が多くマッハ2~マッハ3の高初速で発射される貫通力の強い弾丸のことです。軍隊ではフルメタルジャケット弾(鉛の周りを固い金属で覆った弾丸)以外は使用禁止ですが、狩猟用にはマンストッピングパワー(体組織を破壊して活動を停止させる力)の大きな弾丸を使用することもあります。
また命中率が高く、拳銃よりもずっと射程が長いので(ボルトアクション式はものによっては数千mに達します)適度な重量と銃身のライフルは、歩兵にとって最良の友となりえます。
「ボルトアクション式」は「ボルト」とよばれる部分を手動でスライドさせ空薬莢排出・次弾装填を行うライフルのことです。ポンプを動かす「ポンプアクション式」もあるらしいです。構造上自動小銃よりもエネルギーを有効に使えるので射程・命中率・威力・速度が高いという特徴があります。しかしやはり手動なので連続射撃は難しく、自動小銃の登場の後は歩兵用武器としては廃れ、狙撃手の武器であることが多くなりました。また狩猟用・スポーツ用でもよく使われます。

今ではすっかり古い構造の部類に入ってしまった手動式ライフルですが、出現当時は自動小銃・突撃銃に匹敵するような進歩でした。手動式ライフルはカートリッジ(薬莢と弾丸・雷管などが一まとめになっているもの)があって初めて意味を成すものですが、このカートリッジというものが大発明でした。それまでの銃では火薬と弾丸を別々に入れており、それを一まとめにすることで装填にかかる時間の大幅な短縮を可能とし、また別々に取り扱う必要が無いので取扱が容易で、そして薬莢があるので湿気などから火薬を守ることも出来ます。


・対物ライフル
装甲車や歩兵戦闘車などの軽装甲車両、ホバリング中のヘリコプターなど普通の狙撃銃では撃破できないものを撃破するための大口径狙撃銃です。
12.7mm~20mmクラスの機関銃や機関砲用の徹甲弾や焼夷弾等を使用するのが一般的で装甲車程度は貫通可能。重装甲を持つ現在の戦車にも急所は存在するため、そこを狙える精度も持っています。
また、弾丸が重いため遠距離でも速度低下・風によるブレが少なく、有効射程は1.6km以上と相当なものです。そのため、超遠距離での対人狙撃にも優れています。
ですが7~8mmクラスの通常の狙撃銃に比べて重く大きく高価でなので、主に特殊部隊に採用されています。例えば、ハイジャック犯に対する窓越しの狙撃は軽い弾丸では大きくそれてしまうため、対物ライフルによって窓ごと撃ち抜く用途などにも用いられています。
因みにハーグ陸戦条約で12.7mm以上の弾薬は「過渡の傷害・無用な苦痛」を与える兵器に分類されているので、戦争時には「他に攻撃手段を持っていれば」直接人間に照準、発砲してはならないとされています。しかし建前なのでどこまで守られているかは不明です(笑)

・自動小銃
発砲時に発生する反動(リコイル)やガスを利用して、空薬莢の排出・次弾装填を自動で行い再発射出来るライフルです。ただし、引き金は引きなおす必要はあります。発射ガスの一部を空薬莢排出・次弾装填に使用するのでボルトアクション式ライフルよりも射程・命中率・威力(とはいっても実用上はそれほど問題にならない程度だそうです)・速度(特に射程)に劣りますが、連射速度は遥かに優れています。そのため1938年の登場以来、それまでのボルトアクション式に取って代わって歩兵の主力火器の座につきました。
現在「自動小銃」と呼ばれるものはそのほとんどがフルオート射撃(引き金を引きっぱなしで連射すること)が可能なようになっていて、厳密な意味の自動小銃とは違います。それらは「突撃銃」(アサルトライフル)に分類されますが、よほど分ける必要がない限り「自動小銃」で問題ありません。一応ライフルなのでライフリングされています。

・突撃銃(アサルトライフル)
カービン弾(小銃弾の装薬を減らしたような弾)をフルオート射撃可能な銃です。口径は5.56mm~7.62mm程度が普通です。基本的にフルオート射撃が可能で歩兵が1人で携帯・運用できる銃だと考えればいいのですが、現在では自動小銃がフルオート射撃可能になり、また小口径になったので実質的に同じになっています。よって「自動小銃」と同義で使われることが多いです。普通ライフリングされています。
コルトM16

・短機関銃/機関短銃/機関拳銃(サブマシンガン/マシンピストル)
拳銃弾をフルオート射撃できる銃です。もともと拳銃弾は射程が短く命中率も良くないので、それをフルオート射撃する機関拳銃はさらに酷くなります。空挺部隊の装備や特殊部隊、警察などに配備されますが、基本的に制圧用です。その中で一線を画すのがMP5のような高精度の短機関銃で(フルオート射撃したら酷いのは変わりませんが)、それまで精度が低く民間人の誤射といった問題が発生していたのを解決しました。
20世紀初頭に登場し始めるようになり、軽量で取り回しがよく連射できるので塹壕戦などの近距離戦闘が主になる戦場に最適、第一次世界大戦頃にはこぞって開発が行われていました。他にも戦車兵や士官の護身用兵器としても使われていました。第二次世界大戦頃には重量・取り回し以外ほぼ全ての面で上回る突撃銃が登場したため通常の戦場では使われることは無くなっていきました。しかし屋内での戦闘では取り回しの良い短機関銃の価値が失われることは無く、犯罪組織や強盗団といった屋内での活動を主にする組織で使われるようになりそれに呼応して警察などが使い始めるようになりました。
繰り返しますが拳銃弾を使用するため機関銃とは普通区別され、拳銃の一種として扱われることもあります。が、日本のマスメディアにおいては全て「機関銃」で統一されてしまうことが多く、また映画でも短機関銃をマシンガンと呼んだりして日本では混同が激しくなっています。
普通ライフリングされています。

・散弾銃(ショットガン)
小さな球状の弾丸(ショットシェル)をばらまく至近距離向きの銃です。主に狩猟用ですが、特殊部隊や警察が採用している場合もあります。子弾を一斉に発射することで比較的広域に弾丸を飛ばすわけなのですが、子弾は銃身全部をふさいでいるわけではないので、燃焼ガスのエネルギーに無駄が出ます。よって飛ばすために装薬を多くする必要があって、勢い銃本体も大型化するのですがその割に射程は短いです。
だいたい有効射程は50m程度と言われていますが、この距離ではかなり威力は弱まってしまっています。10mくらいの至近距離で浴びせれば大きなマンストッピングパワーを生み、治療困難な傷を負わせますがそこまで近づくことは正規戦の中ではまずありません。そこで至近距離での戦闘になりやすい特殊部隊が持っていたりしますが、普通の兵士の装備するようなものではないです。
また1度に何発か装填できますが、弾切れしたときは装填に時間がかかり作業も比較的複雑です。ポンプ式・ボルト式・セミオート・フルオート等各種ありますがどれも一長一短でどれが良いとは一概には言えません。
口径は「ゲージ」で表され、12番ゲージ(18.2mm)が一般的です。普通ライフリングされていません。
因みにハーグ陸戦条約により、建前では戦争での使用が禁止されています。

・機関銃(マシンガン)
発砲時に発生する反動(リコイル)やガスを利用して、空薬莢の排出・次弾装填を自動で行い再発射出来、さらに連射できる銃です。自動小銃や突撃銃よりも大型で地面などにすえつけて撃つことが多く、フルオート射撃をしてもそれほど暴れませんし、そもそもフルート射撃することを前提に設計しているので銃身の焼き付きなどにも強いです。
第一次世界大戦で登場し、その火力はそれまで行われていた歩兵の集団戦法を無効化し、それまでの戦争とは比べ物にならないほど多くの死傷者を生みました。それ以降欠かせない兵器となっています。
兵士が持ち運びながら使用できる軽機関銃(分隊支援火器)と、陣地・車両・航空機などに固定して使用される重機関銃に大別されます。

・軽機関銃
兵士が1人から数人で持ち運びし、運用する機関銃です。口径は5.56mm~7.7mm程度です。この程度なら腰だめでも射撃可能ですが基本的には地面などに三脚や二脚で固定して使用します。歩兵の携帯可能な兵器の中では最大クラスの火力を誇っており(対戦車ロケット除く)、後方からの支援射撃に使われます。そのため「分隊支援火器」とも呼ばれます。
射程も長く、火力も強く、命中率もある程度いいと歩兵にとっては頼りになる銃です。普通ライフリングされています。

・重機関銃 
陣地・車両・航空機などに固定して使用される機関銃です。12.7mmといった大口径を誇り、圧倒的な火力を誇ります。歩兵が持ち運ぶにはあまりに重いので車両や陣地に固定されるわけです。
フジテレビの番組「トリビアの泉」で日本刀と対決したブローニングM2はこれに属します。普通ライフリングされています。
ブローニングM2

・ガトリング銃(ガトリング砲)
多銃身で銃身を回転させることで高い連射能力を得た一種の機関銃です。銃身が回転している以上命中率は低いですが、遥かに早い連射が可能です。
もともとはガトリングという人が発明した6砲身のもので、日本にも幕末輸入されて戊辰戦争に投入されています(弾詰まりですぐ使えなくなってしまいましたが)。現在では主に航空機に搭載されます。

・バルカン砲
多くの派生型が生まれたためかガトリング砲の総称がこれになってしまっていますが、正確にはM61系統の(広く装備されているのはM61A1で、F-14やF/A-22がM61A2を装備しています)6砲身のガトリング砲の一つに与えられた愛称です。
主に戦闘機に搭載されて、20mm弾を毎分4000~6000発(切り替え可能)射撃可能という凄まじい連射能力を持っています。
派生型に基地防空用のVADS、艦艇防空用のファランクス、3砲身のM197、7.62mmにしたM134ミニガンなど。
GEM61A1バルカン

・PDW(Personal Defence Weapon 個人用防衛武器)
世界でただ1種類しかない銃のための呼称です。その銃はP90と言います。
80年代に兵士のボディアーマーが強力になってきたことで、後方部隊が使用する護身用火器として拳銃や機関拳銃(短機関銃)では威力不足が指摘されるようになりました。かといって貫通力の高い自動小銃や突撃銃は大きいしかさばるし重いし狭い建物ではとり回しがきかないしで護身用としては向かないとされました。
そこでアメリカ陸軍は「拳銃弾よりも強力な弾丸が使用できて、かつとり回しのいい銃」の開発を各社に依頼しました。そこで1987年ベルギーのFN社がその要求を満たした銃を開発、これをPROJECT-90(P90)と名づけました。
弾は専用に新開発(兄弟銃のファイブセブンは共用可)された5.7mm×28弾(SS90)、小銃弾を小型化したような形の銃弾です。なので貫通力に優れていて、その上柔らかい目標(例えば人体)に命中すると弾が傾いて暴れ体組織を破壊するためマンストッピングパワーにも優れています。
銃本体もブルパップ(機関部・弾倉などを握るグリップよりも後ろに設置したもの)を採用してコンパクトに収まり、プラスチック部品を多用することで軽量化をしています。
なお1996年にペルーで起こった日本大使館占拠事件においてペルー軍と警察の突入部隊がこれを使用して見事な成功を収めたので一気に有名になり、室内戦闘が多い特殊部隊用の火器としても注目されています。
ただPDWというのは市場でしっくり来なかったらしく、現在は短機関銃扱いです(笑)


だいたいこんなところだと思います。「まだこんなのもあるぞ」というのは掲示板でご指摘ください。



おまけ
「トリビアの泉」ではブローニングM2を「ヘリコプターを攻撃するためのもの」と紹介していましたが、M2が米軍に採用されたのは1921年でまだその頃には「ヘリコプター」の「ヘ」の字もありませんでした。
ただし現在ではもちろんヘリコプターが開発され実戦配備にもついています。おそらくはハーグ陸戦条約によって対人射撃が禁止されているために消去法で「対ヘリコプター」に至ったのだと思われます。他に対軽装甲車両任務があったり、対人射撃も他に手段がなければ許可されるのですが。まあトリビアの泉はあくまで一般聴衆向けのバラエティーですのでそこまで言うのもなんだとは思いますが・・・

2005年4月19日加筆
現在においてM2の主目的の1つはヘリ攻撃にあるので、別に間違いではないとのこと。ご指摘、ありがとうございました。


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